こんにちは、dom株式会社CEOの浦林文野です。
投資の世界に長く身を置いていると、痛感することがあります。それは「相場に負ける人の多くは、相場ではなく自分の感情に負けている」という事実です。今日は、私自身の経験とAI資産運用の視点から、「感情に左右されない投資」についてお話ししたいと思います。
私が起業する前、個人投資家として株式取引をしていた頃の話です。含み益が出ると「もっと上がるはず」と欲張って売り時を逃し、含み損が膨らむと「早く楽になりたい」と底値で投げ売る。頭では「安く買って高く売る」とわかっているのに、実際の行動は真逆でした。おそらく、多くの投資家が身に覚えのある光景ではないでしょうか。
行動経済学ではこれを「プロスペクト理論」と呼びます。人は利益の喜びよりも、損失の痛みを約2倍強く感じるといわれています。だからこそ、損失を確定させるのが怖くなり、判断が歪む。これは意志の弱さではなく、人間の脳の構造上、避けがたい傾向なのです。
では、どうすればいいのか。私が出した答えは大きく2つあります。
ひとつ目は「ルールを事前に決めておく」こと。エントリー、利益確定、損切りの基準を、感情が動く前に紙に書き出しておく。相場が動き始めてから考えるのでは遅いのです。ダイエットと同じで、お腹が空いてから何を食べるか決めると、必ず甘いものに手が伸びます。
ふたつ目は「判断の一部を仕組みに委ねる」こと。ここでAIの出番です。AIは恐怖も欲望も感じません。過去の膨大なデータと決められたロジックに基づき、淡々と、機械的に判断を下し続けます。私たちがdom株式会社でAI資産運用を提供しているのも、この「感情の排除」こそが個人投資家にとって最大の武器になると信じているからです。
ただし、誤解しないでいただきたいのは、AIは「儲かる魔法の箱」ではないということ。AIができるのは、あくまで「決められた戦略を、感情を挟まず愚直に実行し続けること」です。相場に絶対はなく、負ける局面も必ずあります。それでも長期で見れば、感情に流されて売買を繰り返すよりも、遥かに安定した成果につながる可能性が高い。これは数多くの検証データが示すところです。
投資初心者の方にお伝えしたいのは、「勝つこと」より先に「感情に振り回されない仕組みを持つこと」を意識してほしい、ということ。積立投資でも、AI運用でも、方法は何でも構いません。大切なのは、相場が荒れた日でも夜ぐっすり眠れる仕組みを、自分の中に持っておくことです。
淡々と、続ける。地味ですが、これこそが資産形成の王道だと、私は信じています。
浦林文野